Impressions-SCREAMIN' JAY HAWKINS

ALBUM NOTES

このアルバム AIM 1031 I Shake My Stick At You は 1991年にオーストラリア、Sydney の Emerald City Recording Studios と Trafalgar Recording Studio で録音され、どうやら同年 8 月にリリースされたもののようです。
このための書き下ろし(?)作品も多く、彼自身のプロデュースで好きなことをやっていますが、(そのためか?)やや荒削りなところもあります。
でも、本人としちゃ、ケッコーご満足だったんじゃないでしょか。


accompanists

Bo Diddley Jr.: guitar/ Rodney Schnitz: bass/ Barry Southern: sax/ Gene Pello: drums


1. Live Love or Die

キモチいいブーギウーギ・ピアノで始まるライトなブーギですが、ここでの Bo Diddley Jr.のフェイズ・アウト気味のギターのバッキングが「いい音」してますねえ・・・って、そんなこと思うのはワタシだけなんでしょが。
Barry Southern のサックスはイマイチかな?その直後のギターのほがいい感じで走っています。ここら OLYMPIA でのライヴの Frank Ash と Didier ( alt. Dider ) Marty と逆ですねえ。
あ、そうそう、このドラムもなかなかいい重量感あるリズムを出してくれてます。


2. Because of You

他のアルバムでもお馴染みのナンバーですが、ここでの Screamin' Jay Hawkins のヴォーカルがちょっと「うわずり」気味でございます。
ま、だからと言って、彼のヴォーカルをマジメに聴いてる方ってのは(中にはいるかもしれませんが)少数派だと思いますので、さほど実害(?)は無いかと・・・
オープニングのドラムがカッコよくて、一瞬 Because of You とは判らなかったですねえ。
Screamin' Jay 自身(たぶん、ね)のピアノがとてもいい味を出してます。ウマい、ってのとはぜんぜんちゃうんですが。


3. Don't Fool With Me

かなりマジメくさったスローなピアノで曲は始まりますが、Screamin' Jay がこんなピアノ「も」弾けるとは!と一瞬、見直しそうになりますねえ。
コード進行は Please Send Me Someone To Love と同じタイプですが、サビ無し。
Bo Diddley Jr.のギター・ソロはソツ無くこなしておるのですが、続く Bari Southern のサックス・ソロは、ってえと、途中「あきらかに」おっとっとなとこがあってコケさしてくれます。


4. Furburger

やたらテンポを落とした High Heel Sneaker てな趣きですが、スっとぼけた Screamin' Jay のヴォーカルには良く「合って」ます。
また Bo Diddley Jr.のギターのトーンがときどき Hubert Sumlin 師のにちょっと似てたりしますが、もしかすると意識してそうしているのかも。
ただしソロになるとちゃうんですけどね。
このアルバム全体に言えるんですが、あましリハしないで強行しちゃった、みたいなとこが感じられて、それがときどき「おっとっと」な局面を招くんですが、ま、なんたって Screamin' Jay 本人があましそこら気にしてないみたい。


5. Cookie Time

一見キュート(?)なピアノで始まる変則コード進行のブーギ。
最初から 8 小節目まではフツーなんですが、そっから IV: I: IV: I: II: II: V: Vっちゅう 8 小節が続きます。
ギターもサックスは健闘してるんですがイマイチかな?むしろ、バッキングでのリフはいいんですがねえ。
でも良く聴くとご本尊の Screamin' Jay のピアノが「しっかり」手抜きしておりますねえ。


6. The Rose

ちょっととっちらかりっぽくなりつつもムリヤリ持ち直す Screamin' Jay のピアノで始まるスローなナンバーで、循環コード系ですかね。
当然サビ有り。なんだか Sleep Walk にも似てるかも。サビで IV から IV のマイナーになるとことかね。
どっちかってえとバラードの部類に入るんでしょが、なんたって Screamin' Jay ですからね。
あましメロウにもスタイリッシュにもなりようが無い・・・か?


7. Tear Drops

これまたやたらと元気のいい「涙」ですねえ。
ドラムの Gene Pello がなかなかいいですよ。騒ぐ(?)とことそじゃないとこのメリハリ具合が実にちょうどいい感じ。
そのドラムに比べるとギターとサックスのソロはまあまあ、ってとこでしょか。
Screamin' Jay のヴォーカルは、なんだかいつもよりストレートに歌ってるみたいで、これはこれでアッサリ(どこが?)しててよろしい。


8. Bushman Tucker

んっちゃ、んっちゃ、っちゅうリズムがちとアホっぽいナンバー。
なんだかところどころ聴き取れたような気がするとこから推理するに、なんだかアフリカのブッシュマンについての勝手なイメージをそのまま歌詞にして好き放題言ってるよな気がするんだけどなあ。
なんとなくデンジャラスな・・・


9. Rockin Away

いきなり Screamin' Jay のヴォーカルから始まり、またいつものメジャーなんだかマイナーなんだか迷いまくってるみたいなアヤしいコード進行でのたうつ・・・
リズム的にはお得意の(?) I Put A Spell On You の感じね。
しかしまあ、この手の曲ではセンセ、実に朗々とキモチ良さそに唄い上げておりますねえ。
で、それが一切「げーじゅつせー」を高める方向には行かない、ってとこがまた実にスバラシーワケでして、やっぱ Screamin' Jay Hawkins はこーじゃなくっちゃ(?)、でございますよ。


10. Rock Australia Rock

ピアノによるイントロのヘンな和音はナンだったの?ってくらい始まってみるとフツーなブーギウーギ・・・と見せかけて V→IV と行くとこがマイナー臭いんですけど。
しかもちゃんとマイナーになってるワケでもなさそうで、みんなフツーにやってるのに、センセーひとりがなんでかピアノでマイナーな音で強引に割り込んでくる、って感じでしょか。さらにそれも毎回じゃなく、ときどきなもんで、ワザと、なのかうっかりして、なのかが判りまへん。
ま、あのブキミ(?)なイントロからすっと確信犯的おちゃらけかもしれませんね。
歌自体はケッコーまともなんですけど。


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