Impressions-SCREAMIN' JAY HAWKINS

「ある男の肖像」なんて気取ったタイトルではございますが、たぶんみなさまもご存知のとおり、これは本来 Portrait of A Man and his Woman のために吹込まれたナンバーをアルバム・タイトルにしちゃったもので、本家とは異なり、その内容は完全な寄せ集めです。


ALBUM NOTES

副題が A History of Screamin' Jay Hawkins とはまたずいぶん大きく出たもので・・・
ただ、上でも述べたように基本的にはこのアルバム、「寄せ集め」でございますから、ダブりを恐れていてはとても買えない一枚かもしれません。
その収録されている原盤も Okeh 7072/7101、Timely 1004、Enrica 1010、Chancellor1117、Roulette4579、Decca 32019、Providence 411・・・などなどと多岐に渡りますが、そのヘンもキチンと明示されておりますので、資料的な意味合いでも、よく出来ております。


accompanists

なにしろ寄せ集めなので共通したパースネルではありません。判明しているものは曲ごとに記載しました。


1. Little Demon

1956年 9月12日に New York で録音されたもので、どうやら EPIC 47933 CD、つまり Cow Fingers and Mosquito Pie に収録された 2テイクとも異なる第三のテイクかも?
というのも、一部の Discography ではこの 1956年 9月のセッションでは三つの Little Demon が挙げられており、うち二つは Cow Fingers〜に収録、残る一つ、ただし、これだけテープの管理番号が不明、っちゅーアヤしーのが Okeh 7072 として I Put A Spell On You の B 面となった、としてあるからでございます。
で、聴き比べてみましたが、どーも同じテイクとしか思えないんですねえ。
あるいは Cow Fingers〜に収録されたのがトラック・ナンバー CO-56601-8 ではなかったのかもしれません・・・なんてそんなコアな話、ダレもキョーミ無いっすよね。


2. I Put A Spell On You

そしてこれまた完全に Cow Fingers と同じもの。
つまり上の Little Demon とカップリングで Okeh 7072 としてリリースされた「このスタイルでの」オリジナル I Put A Spell On You。


3. Baptize Me In Wine

いよいよワタクシの Screamin' Jay Hawkins コレクション(?)には初登場のナンバーでございます。
まるで洞窟の中で歌ってるかのような「深〜い」残響をまとった Screamin' Jay は最初はなにやら宗教的な祈り(?)かいな、っちゅう独白みたいなんから始まりますがバックのサックスを聴いてると、案外、世俗の世界(?)どっぷりでございます。
ま、それもそのハズ、バチ当たりにも、水じゃなく、ワインをかぶって洗礼を受けよう、なんてコンタンですからねえ。
1953年 9月に New York で録音されたもので、次の Not Anymore とカップリングで Timely 1004 という 78rpm SP として 1954年にリリースされています。
ギターに Mickey Baker。


4. Not Anymore

イントロはモロ Elmore James じゃん!っちゅーギターで始まり、なんだか Screamin' Jay のヴォーカルまで、どことなく Elmore チック(最初だけ、っちゅう感じ?)。
ホント珍しく「ブルースっぽい!」なんて言うと叱られるかも。
この 1953年の 2月には Elmore James の I Believe が R&B チャートを駆け上がり、最高 9 位まで言って 3 週間チャートに居続けましたから、そんなことがエイキョーしてるんでしょか?


5. I Hear Voices

こちらは Voodoo Jive: the Best of Screamin' Jay Hawkins Rhino R2 70947 に収録されたトラックとまったく同じもの。


6. Just Don't Care

こちら上と同じ。この 2 曲はシングル Enrica 1010 の A/B 面として 1962年 1月に New York で録音されたもの。


7. Ashes

上と同じ 1962年、おそらくは上に続いて行われた Philadelphia での録音で Move Me ─ YEAAH! YEAAH 30 と同じもの。この一緒に歌ってる女性ヴォーカルが、後にハワイで Screamin' Jay を刺しちゃう Shoutin' Pat Newborn ざます!


8. There's Something Wrong With You

これも Cow Fingers〜に収録されたもの。 フンイキ的には "I put a spell on you" にも似ています。 サックスをメインのバッキングに、SJH が唸る、うめく、吠える。 サックスも唸る不気味なブレークが特長。OKeh のシングル "Alligator wine" のカップリング曲でギターがケニー・バレル。


9. Strange

1964年に New York で Roulette Records に吹き込んだもの。次の The Wammy とカップリングで、シングル Roulette 4579 としてリリースされています。
特徴的なリズムで、そのまま行くかと思ったら突然シャッフルになるのねん。
バックは Sammy Lowe Orchestra。
1990年録音の Stone Crazy ─ DEMON Records FIENDCD 728 にも収録されてますが、モチロンまったくの新録音。
こっちのほうがストレートで歌も「ワル」があまり入ってません(?)。


10. The Whammy

上とカップリングになった曲で、これもワタクシのストックにはこれまで無かったテイクでございます。
1988年のおフランスはパリ、オテル・メリディアンでのライヴ盤 Live And Crazy ─ EVIDENCE ECD 26003-2 にはもちろん 24年後の「新しい」ヴァージョンが収録されております。
最後、Moan・・・Moan・・・Moan・・・Moan・・・と消えてくとこがいい(?)ですねえ。


11. All Night

聴きようによっちゃ大相撲の触れ太鼓にも似てる(?)ライトなジャングル・ビートに乗せて Screamin' Jay と Leroy Kirkland 率いる女性コーラス陣とのコール&レスポンス(か?)がおバカでよろしい。
William Butler の「気の抜けた」ギターがまたユルユルでヴォーカル陣の熱気とは対照的で面白いですねえ。
これは SPELLBOUND Bear Family Records BCD 15530 とカブってます。


12. Poor Folks

もっと新しい録音( 1983年 Paris )が Real Life ─ Charly R&B CD CHARLY 163 にも収録されておりますが、これは 1965年に New York で Providence Records のために録音されたもので、次の Your Kind of Love とカップリングでシングル Providence 411 としてリリースされたものです。もちろんワタクシのとこには初登場。
バックは Walter Young Orchestra とクレジットされております。
どんな構成か不明なんですが、なんだかベースのかわりにチューバあるいはスーザホーンを使ってるよな音なんですよね、この低音が・・・


13. Your Kind of Love

これも当然、上と同時に録音されたもの。これも Real Life で新録音をやってますねえ。
こちらのオリジナルでは割りと「ちゃんとした」ピアノが特徴で、もしかすると、このピアノは Walter Young Orchestra のひとかも・・・


14. Mountain Jive

1983年の Paris 録音、Real Life にも再録されておりますが、こちらは当然 1966年 7 月 8 日に New York で Decca のために録音されたテイクで Bear Family Records BCD 15530 に収録されたものと同じでございます。
とにかくもう「ムダに(?)」ゲンキで、実にキモチいいですねえ。


15. Voodoo

こちらは 1974年 8 月(異説 10月)、New York の The Hit Factory での録音。同時に録音されたのが次の You Put the Spell On Me。
どちらも上と同じ BCD 15530 にも収録されております。
かなり「おバカな」女性のコーラスの使い方といい、まるでコサック・ダンスみたいなリズムといい、いったい、ドコを目指してるのか「?」な曲ですが、そんなこと言い出したら彼の曲は全部そうか・・・
バックでは「ファンキーなクラヴィネット」が時代を感じさせてくれますね。


16. You Put the Spell On Me

自らの I Put A Spell On You をネタにしたナンバーですが、これもまた独特なプレゼンスありますよねえ。
グっと音数を抑えたバックに乗せて、朗々と唄い上げる Screamin' Jay!
I love you, I love you! という Screamin' Jay に女性コーラスが We love you, Screamin'!ときたもんだ。パースネルは上と同様に不明ながら、このバックのギターがなかなかいい味を出しておりますよ。
左チャンネルのサイドも右チャンネルのカウンター入れるギターも、結構ただもんじゃないっす。
上の Voodoo とカップリングで RCA 10127 としてリリースされました。


17. Portrait of a Man

1972年に Nashville で Hot Line Records のために Woodland Sound Studio で収録されたもの。
[accompanists─ Jimmy Kovards: lead guitar/ Joe Allen: bass/ Tommy Allsup: 6-strings bass( band leader)/Kenny Malone: drums, bongos & Vibes/ Tony Migliario: piano & organ/ Chips Young: rhythm & bongos/ Henry Dotson & David McKinely: backing vocals/ 21st Century Singers: backing chorus ( led by Henry Dotson)]
いささか Screamin' Jay Hawkins らしからぬ「ダウナーな」曲調で、「重い」スロー・ナンバーとなっております。
ま、エンディングでは「絶唱」を見せてはくれますが、全体に抑えめ、ミョーにアダルトなフンイキが漂ってはおります。
どうやら、バックはほとんど白人らしく、それが独特なムードの一因?・・・なんてこたあないねきっと。
この曲は、アルバム Portrait of A Man and His Woman Hot Line 10024-25 に収録されてリリースされております。


18. Ol' Man River

1990年の10月から12月にかけて HollyWood の Track II Studio で収録されたもの。
なかなかオトナチックに静かな唄い出し、クラブでグラスを傾けつつ、カノジョの肩など抱きながらウットリと聴いていると、いきなりブチっ!
マチガイなく、ここでマティーニをカノジョのドレスの上にこぼすな、こりゃ。
でもギター( Michael Keneally )なかなかいい音してる!
Black Music For White People DEMON RECORDS FIEND CD 211(リリースは1991年)に収録されました。


19. Heart Atack and Vine

上の Ol' Man River 同様 Black Music For White People DEMON RECORDS FIEND CD 211 に収録されたナンバー。
ここでも Michael Keneally のギターがいい音してます。
え? Screamin' Jay?ん〜、ヤツはただクダまいてるだけ、って感じのヴォーカルですが、かえってマトモに聞こえるのはナゼ?


20. I Don't Know

これも録音したのは上の 2曲と同時期なのですが、違うアルバム Stone Crazy DEMON RECORDS FIEND CD 728 の方に収録され、1993年にリリースされています。


21. Don't Deceive Me

マジ(?)なブルース・ピアノで幕を開けるスローなバラードで、これも本邦初お目見え(あ、ウチにはこれまで無かった、っちゅー意味ねん)でございます。
コード進行は Please Send Me Someone To Love みたいなタイプで、サビもあります(サビじゃ、もちっとカンタンな構造ですが)。
ギターがちと耳に近くて、やや耳障りかな?


22. Whistling Past the Graveyard

1994年 1月、California 州 Orange 市の For the Record Studio で録音され、同年 Somethin' Funny Goin' On として発売された曲群の中の一曲。
[accompanists─ Buddy Blue: guitar / Mike (Michael) Keneally: guitar / Oscar Barajas: bass / Jeff Aafedt: drums / Robbie Helm: sax / Steve Ebner: Trumpet / Felix Flanagan: harmonica / Jim Monroe: percussion / Donna Gast, Octavia Bostick, Erin Barton, Brynn Horrocks, Jack Duffey & Craig Mealins: background vocals]


23. Armpit No.6

これまたウチには初お目見えのナンバーで 1958年 Philadelphia で録音され Red Top 126 というシングルでリリースされたもの(カップリングは The Past )。
時代的に言ってもちょっと古いハズなんですが、ちょっとサチり気味のギターが思いっきりアーミングを多用してたりで、なかなか面白い曲です。


24. I Put A Spell On You

まるで怪奇映画のオープニングみたいな雷鳴、雨音に遠い鐘の音・・・そして強く扉を叩くようなリズムが始まり、ブキミな笑い声が・・・ってそりゃ Screamin' Jay Hawkins に決まってるんですがね。
お馴染みの I Put A Spell On You なんですが、リズム・ギターがやたら腰が据わってると思うと、これ、みなさまご存知のよに「あの」キース・リチャーズなんですよねえ。
そう言や、途中 Screamin' Jay とは「まったく異質な」別な種類の「悪人声(?)」が一瞬登場するんですが、あれもキース?
うわあ、コイツきっとネっからの悪人だ!って感じの声ね。
ここでは女性コーラスがミョーに「美しげ」に歌えば歌うほど「ブキミ」になるとこがなんとも言えません。
1979年12月18日、New York の Blue Rock Studio でのレコーディングですが、キース以外のパースネルは不明なようです。


25. Scream the Blues

これも Whistling Past the Graveyard 同様、Somethin' Funny Goin' On に収録されたナンバーそのもの。


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