Impressions-SCREAMIN' JAY HAWKINS |
ALBUM NOTES | この CD は、SJH の初期の録音(1955年の1月と5月、ともにニューヨークで)から、1974年の8月(これもまたニューヨーク録音)までを集めた二枚組のアルバムですが、この2枚目の方は、1969年(1.〜12.が初夏に、13.〜24.は年末)に録音されたものです。 |
accompanists |
なにしろ寄せ集めなので共通したパースネルではありません。 |
1. WHAT THAT IS | シャッフル気味のライトなナンバーですが、マイナーのため、適当な湿度(?)も感じられます。キーは Fm なのですがすぐBbm→C となり、そっからサブドミナントである Bbm でしばらく行って、C から Fm、以後その繰り返しみたいなパターンです。 |
2. FEAST OF THE MAUMAU | これも 1.のWHAT THAT IS と同じ録音ですが、次のDO YOU REALLY LOVE ME と共に [Carl 'Beef' Gottlieb, Christopher 'Egg' Ross, Sal Valentino, Deidre La Porte, Tom Reid & Thea Marcus:chorus] が [accompanists] に追加されています。また、この曲ではギターが Herb Ellis に替わっています。(ハーブ・エリスは、1921年テキサス生まれの白人ジャズ・ギタリストで ─ ただし、最初の楽器はバンジョーだったとか ─ 少年時代からブルースにも親しみ、大学で本格的に音楽を学んだ後、1944年にカサ・ロマ楽団ってとこでプロとしてのスタートを切っています。そこからジミー・ドーシー楽団、オスカー・ピーターソン・トリオ、JATP などを経てエラのバックや、スタジオ・ワークでは数々のレコーディングに参加しています) |
3.DO YOU REALLY LOVE ME | 2.で説明したとおり、この曲も基本の [accompanists] に、コーラスをプラス。 |
4. STONE CRAZY | イキのいいブギウギ・ピアノ風のリズムに乗せていつものヴォーカルが・・・バックには(やや間遠いながら)かき鳴らすバンジョーも聞こえております。 |
5. I LOVE YOU | また1.と同様に、基本 [accompanists] に戻ります。アダルトなフンイキ(?)のピアノで始まり、珍しく「落ちついた」バラードを! |
6.CONSTIPATION BLUES | あの、あまりにも有名な「便秘」のブルース。REAL LIFE: CHARLY R&B CD CHARLY 163/'83 にも収録されていますが、まったくの別テイクです。こちらの方が年代は古い(1969年。『REAL LIFE』は1983年の録音です)のに、音もクリアーなのは、なんでじゃろ? |
7.I'M LONELY | この曲では、4.の「STONE CRAZY」と同様、[accompanists] にかなりの異動があり、[Ernest McLean: banjo/ Ron Johnson: bass/ Eddie Hoh: drums/ Grahame Bond: piano] となってます。そして、その「STONE CRAZY」とカップリングで、Phillips 40606 としてリリースされました。 |
8.THING CALLED WOMAN | この曲ではギターが Herb Ellis に替わっています。シンプルなピアノのリフに乗って、まず最初は左チャンネルから、続いてそっくり右チャンネルに移動し、なんのイミがあるのか、またしても全員、左チャンネルにお引越し。エンディング直前に突如ステレオになる、っちゅーワケ判らない仕上がりとなっております。 |
9.DIG! | サックスのブロウで始まる、ややヘヴィィなバラード(?)。どことなくPERSON TO PERSON をホーフツとさせますね。 |
10.I'M YOUR MAN | なんでか 3/4 のリズムで艶っぽく(?)セマってまんなあ。 |
11.ASK HIM | この曲ではギターが Herb Ellis に替わり、また、Bill Watkins Singers(このグループについて検索してみたのですが、収穫はゼロでした)がバックにゴージャスな(?)コーラスをつけています。やや落ちついた(うぷぷ)バラード(?)。 |
12.REPRISE | ここではまた基本パーソネルに立ちかえり、マイナー系ながらリズムは陽気っぽく、っちゅうワケ判んないイントロに続いて、曲が始まるのか、と思ったら、これまでに出て来たFEAST OF THE MAUMAU やDO YOU REALLY LOVE ME やASK HIM をコラージュしたような「お遊び」でございました。チャンチャン。 |
13.PLEASE DON'T LEAVE ME | この曲から 24.のSO LONG までは、1969年の12月にテキサス州のヒューストンで録音されたものですが、スクリーミン・ジェイ以外のミュージシャンは不明です。(プロデュースだけは Huey P.Meaux という人物)。 |
14.I WANTA KNOW | STONE CRAZY: DEMON RECORDS FIENDCD 728/'93 にも収録。ちょっとHIGH HEEL SNEAKER に似たリズムで、軽い感じ。 |
15.I NEED YOU | THE BEST OF SCREAMIN' JAY HAWKINS: Classic world CWP 2011 にも収録(『Move Me:YEAAH! YEAAH30』とまったく同じもの。たぶんそっちの方が音質はいいハズ)。 |
16.MY MARION | ゆったりとしたバラード、ってえフンイキですが、バックにはもうひとり、ファルセット・テナーなんだか、アルトなんだか、性別不明のハミング(つーかモ〜ンつうか?)がず〜〜〜っと流れてます。ああ、この展開、どっかで・・・ |
17.BITE IT | ライトでシュアだけど、どこかコミカルなリズムが小気味いいナンバー。キーは G で、ごくまっとーなブルース進行。 |
18.MOVE ME | THE BEST OF SCREAMIN' JAY HAWKINS: Classic world CWP 2011 にも収録されていますが、音質はこちらのほうがいいです。 |
19.GOOD NIGHT MY LOVE | "Yes, It's be nice. Yes, I love you・・・"なんておネエちゃんのセリフから始まる「Dreamy」な(って、どんなやねん?)ナンバーで、ストリングスもフンダンに使ってますぞ。 |
20.OUR LOVE IS NOT FOR THREE | まるでサム&ディヴみたいな(ベースは、むしろキング・カーティスか?)、リズムを活かしたナンバーで、ホーン・セクションとバック・コーラスも活躍してますが、SJH が地味(これでも?)。 |
21.AIN'T NOBODY'S BUSINESS | これはもう、どなたもご存知、あの名曲でございます。ま、例によってPERSON TO PERSON (『COW FINGERS AND MOSQUITO PIE:EPIC/LEGACY EK 47933』に収録)みたいなミョーなリキミたっぷりで、SJHらしさ、をフルに発揮しておりますぞ。二番が終ったとこで、ナゼかシャウトが左チャンネルから右チャンネルまでスィープいたしますが、そのことにどのよーなイミがあるのか?などと悩んではいけまへん。 |
22.TAKE ME BACK | ヴォーカルとユニゾンで弾かれるギターと一緒に軽くシャッフル系でトバします。『COW FINGERS AND MOSQUITO PIE: EPIC LEGACY EK 47933』に収録されている「TAKE ME BACK TO MY BOOTS AND SADDLE 」とは、ま〜ったくなんのカンケーも無い別な曲ですよん。 |
23.TRYING TO REACH MY GOAL | こりゃまた、どっかで聞いたよな曲の造りですねえ。「オーイエ」と「ア〜ハン」だけのバック・コーラスがなかなか「おマヌケ」でヨい。 |
24.SO LONG | さて、いよいよ最後の曲でございます。思わせぶりなピアノから、一瞬、RECONSIDER BABY かいな?と思わせる「So long!」のひと声が出てまいります(この場合は、もちろん Lowell Fulson じゃあなく、 Freddie King の『TEXAS CANNONBALL:shelter 7243-8-53867-2-5』の方ね)。が、モチロンまったく別の曲であるのは申すまでもございません。 |