この CD の基本的ななりたちは、"COW FINGERS AND MOSQUITO PIE" と共通しています。
ともに、50年代からの OKeh シングルを中心に、LP からも集めてきているのですが、向こうが EPIC LN 3448、"AT HOME WITH SCREAMIN' JAY HAWKINS" からだけであるのに対し、こちらは、それ以外にも、Philips の #600319、"WHAT THAT IS!" や、Planet の #1001、"THE NIGHT & DAY OF SCREAMIN' JAY HAWKINS" といった LP に、Philips、Mercury、Enrica などのシングルまでをも集めています。
この CD も、ある意味「MUST」と言えるものかも。
"COW FINGERS〜" も持っているなら、17 曲中、9 曲がダブりますが、'69年の "Constipation blues" など 8 曲が手に入るのですから（なんちて、他のアルバムでももっと効率良く手に入るカノーセーも否定出来ないので気をつけましょー）。
"COW FINGERS AND MOSQUITO PIE" と重複した曲は曲名のみで、コメントを省略しました。

「寄せ集め」なので、共通項ナシ。個別に記載します。

[accompanists─the Leroy Kirkland Orchestra: Ernie Hayes: piano/ Jimmy Shirley: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ Sam "The Man" Taylor: tenor sax/ Heywood Henry: baritone sax]

[accompanists─the Leroy Kirkland Orchestra: Ernie Hayes: piano/ Jimmy Shirley: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ Sam "The Man" Taylor: tenor sax/ Heywood Henry: baritone sax]

[accompanists─Ernie Hayes: piano/ Kenny Burrell, Everett Barksdale & Danny Perri: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums]

[accompanists─unknown except the Ray Charles Singers]

[accompanists─Ernie Hayes: piano/ Kenny Burrell, Everett Barksdale & Danny Perri: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ unknown: sax]

北欧のインストのバンド、ザ・スプートニクスみたいなエレクトリック・ギターのサウンドに乗せて、ひと声「Frenzi〜！」でオープニングです。曲調は最後までスプートニクスみたいなまま。
コード進行はまず、Em-Am-Em-B7 を基本に、途中で A-E のくり返しからブレークで（ B7 ）という曲です。（キーは Em ）
[accompanists─Ernie Hayes: piano/ Kenny Burrell, Everett Barksdale & Danny Perri: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ unknown: sax]

オープニングではいきなりビーチ・ボーイズ!?てなウェスト・コーストっぽいハモに驚いちゃいます。
サックス・ソロやバッキングのピアノも「その気」になってるような･･･。リズムとしてはブギなんですが、どことなくビーチ・ボーイズ系の「ノーテンキ」なノリになってます。
コード進行は、G で４小節、C に上がって２小節、G にもどって、とここまでは普通のブギと一緒ですが、D も２小節で G に帰って来ます、さらにサビがあって、C-G-C-D を２小節ずつになってます、ブレイクが入って、D-C-D のフィル入れてトニックに帰る、と。（キーはGです） F.O.
[accompanists─Mike Anthony: guitar, banjo/ Lyle Ritz: bass/ Earl Palmer: drums/ Plas Johnson: tenor sax/ Carl "Beef" Gottlieb, Deirdre LaPote, Thea Marcus, Tom Reid, Christopher "Egg" Ross & Sal Valentino: back ground vocals. Produced by Milan Melvin]

SJH のウメキに始まりますが、意外にマトモに？
Guitar Slim 賛の "The things I used to do" みたいなステディなナンバーを例のシャウトこみで歌い上げております。Mickey Baker のギターも、けっこーその気モードでいいですね。ターンアラウンドでドミナントを挟まない以外は（二つ目が上がるのも含め）まったくオーソドックスな G のブルース。
[accompanists─the Leroy Kirkland Orchestra: Ernie Hayes: piano/ Mickey "Guitar" Baker: guitar/ Al Lucas: bass/ David "Panama" Francis: drums/ "Big" Al Sears & Sam "The Man" Taylor: tenor sax]

なにやら楽しげなジャンプっぽいブギ（？）。
これもキーは G です。G のまま８小節、C と G を２小節ずつのあと、また C に上がり、D を経て G に帰る、と。バックのコーラスもなんだか楽しそうでいいです。
[accompanists─THE CHICKEN HAWKS with Teddy McRae Orchestra. Teddy McRae: baritone sax/ unknown: other session members]

[accompanists─the Leroy Kirkland Orchestra: Ernie Hayes: piano/ Jimmy Shirley: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ Sam "The Man" Taylor: tenor sax/ Heywood Henry: baritone sax]

[accompanists─the Leroy Kirkland Orchestra: Ernie Hayes: piano/ Jimmy Shirley: guitar/ Lloyd Trotman: bass/ David "Panama" Francis: drums/ Sam "The Man" Taylor: tenor sax/ Heywood Henry: baritone sax]

これはまた、ずいぶんと変わったオープニングですねえ、「シタタタタ･･･ 」というリズムといい、バックに流れるオルガンといい、妙なストロークを切ったり流したりのギター。ヴォーカルまで「アチャチャチャチャ･･･ 」というリズム・テーマをマネてるんですねえ。
Gm と Fm のくり返しから C にいって、さらに C# のディミニッシュ→D と上がっていきます。
[accompanists─THE CHICKEN HAWKS with Teddy McRae Orchestra. Teddy McRae: baritone sax/ unknown: other session members]

[accompanists─Ray Charles Singers: background vocals/ other members: unknown]

あ、このブラスとギターのカラミ、どっかで聞いたコトあるよーな気がするんだけど･･･ なんか重くゆったりと進んでくんですが、急にワルツになるとズッコケるよね。
Fm の曲ですが、Fm で流してって一度 Gm に上がり、また Fm にもどってすぐ Bbm/Fm が入ると、そっからはリズムが３拍子になって Bb-Fm-Bb-C の流れになります。
[accompanists─the Leroy Kirkland Orchestra: Ernie Hayes: piano/ Mickey "Guitar" Baker: guitar/ Al Lucas: bass/ David "Panama" Francis: drums/ "Big" Al Sears & Sam "The Man" Taylor: tenor sax]

足音のようなコツコツ・ドラムに特長的なベース＆ピアノのリフと、SJH のステレオ・パンポットをフルに悪用？した左右ブっ飛びウメき＆うなりで始まる、やや静かながらも力の入ったスロー・ナンバーです。
リズムの切り方としては「スローなブギ」なんですが、例によって、コードが変わってます。キーは Cm で８小節そのまま、そして G7 から F7 に落ちて Cm に帰るってパターンです。ヴォーカルはバックの猿、豚、鳥？その他を除けば、けっこうマトモなんですけどねえ。F.O.
[accompanists─Mike Anthony: guitar, banjo/ Herb Ellis: guitar/ Lyle Ritz: bass/ Earl Palmer: drums/ Plas Johnson: tenor sax. Produced by Milan Melvin]

[accompanists─other members: unknown]

オープニングの SJH のナレーションがいいですね。"Most people request the song about love, heartbreak, lonliness and 〜"と。だが、と SJH。"Real pain"･･･ それは「便秘」！いいですねえ、このアホくささ！
14年後に録音された"REAL LIFE" 版に比べると、演出もさほどおおげさでは無く、マジメにやってます（ここで「どこがじゃ〜っ！」という全国のブルース・マニアのツッコミが聞こえるよーな気がします）が、やはり、「問題作」を世に問う、というキハクが（またまた、怒涛の如き「ウソつけ〜っ！」という声が）感じられて、なかなかヨロシいですねえ。
[accompanists─Mike Anthony: guitar, banjo/ Lyle Ritz: bass/ Earl Palmer: drums/ Plas Johnson: tenor sax. Produced by Milan Melvin]